鼻の治療

鼻の症状について

呼吸によって鼻を通る空気は、湿度を含みながら温められます。また、鼻毛や粘膜が異物を取り除き、清潔な空気が体内に入り込みます。他にも、においを感じ取るなど、身体機能を維持するために必要な働きをしてくれているのです。

しかし、アレルギーや鼻づまりが原因で炎症を引き起こすと、「鼻呼吸が難しくなる」「においがわからなくなる」など、さまざまな症状につながります。また、炎症が悪化すると鼻の内部で膿が溜まり、頭痛や発熱などの症状も引き起こす恐れがあるのです。

鼻づまりなどは決して放置せず、できるだけ早く当クリニックにご相談ください。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは、体内への異物侵入を防ぐために抗体が作られますが、免疫機能が過剰に反応してしまい、
「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」などを引き起こしている状態です。原因は風邪のようにウイルスではなく、
花粉やハウスダストなどの物質が関係しているケースが多く見られます。
アレルギー性鼻炎には花粉に反応する「花粉症」と、通年症状が発現する「通年アレルギー性鼻炎」の2種類があります。

アレルギー性鼻炎の種類

◆花粉症

花粉症とは花粉を吸い込んだりすることで「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」等の症状を引き起こすアレルギー性鼻炎のひとつです。 春のスギ花粉や秋のブタクサが代表的です。単独の花粉にだけ反応される方もいますが、複数の花粉に反応する方が多いです。スギ花粉の方の多くは、ヒノキにも反応し5月初旬まで症状が継続することが多いです。その後、夏になるとカモガヤの飛散が始まります。さらに、秋になると、ブタクサやヨモギの飛散が始まります。

◆通年性アレルギー性鼻炎

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状が、季節を問わずあらわれる疾患です。通年性アレルギー性鼻炎の主な原因(アレルギン)は、ダニ、真菌(カビ)、昆虫、ペットの毛などが知られています。鼻の症状だけでなく、目のかゆみや涙目をともなうこともあります。通年性アレルギー性鼻炎は、問診と、皮膚反応テストや血清抗体検査などの検査結果から総合的に診断します。検査では、鼻炎の原因(アレルゲン)が特定されます。

検査・診断について

問診とアレルギー検査などの結果から総合的に診断します。検査では、鼻炎の原因(アレルゲン)が特定するため、当院では2種類の検査を行っています。

20分で結果がわかる簡易検査

指先から血液を少量採ってから、約20分で結果がわかります。痛みが少ない為、注射が苦手な方でも気軽に検査できます。小さなお子様からお年寄りまで実施可能です。

【検査項目(8項目)】
ヤケヒョウヒダニ、ゴキブリ、ネコ皮屑、イヌ皮屑、スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ

料金 約4,000円(保険適用)

採血による詳しい検査

採血による詳しい検査では、結果が出るまで5日から1週間かかります。

【検査項目(13項目)】
スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、ハウスダスト、ダニ、カビなど13項目の以下数値

  • 一般血液検査…白血球数からアレルギーに対する強さ、赤血球数からは貧血の程度がわかります。
  • RIST非特異的IgE…アレルギー体質の程度がわかります。
  • RATS特異的IgE検査…具体的な原因がわかります。
料金 約5,000円(保険適用)

当院の治療法

対症療法:抗アレルギー治療

  • 抗アレルギー剤の服用・・・現在、眠気などの副作用はかなり少なくなっています。
  • 漢方薬・・・小青竜湯が代表的です。
    ※妊娠中や授乳中は、苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)がおすすめです。
  • 点鼻液(スプレー)・・・ステロイド点鼻スプレー/血管収縮剤の点鼻液
    ※連用するとかえって鼻閉が強くなるので注意が必要です!! 
  • 点眼液・・・抗アレルギー点眼液
    ※ステロイド点眼液(重症時に使用。眼科受診をお勧めします)

根本療法:アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)

アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体のアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。原因となるアレルゲンを用いて行う治療法のため、まず原因となるアレルゲンを確定する確定診断が重要です。当院では、ダニアレルギー・スギ花粉症の舌下治療を行っております。

  • アレルギー症状を根本的に軽減させ、長期にわたり症状を抑える可能性のある治療法です。
  • 治療は長期間(3~5年)かかります。
  • アレルゲンを投与することから、局所的なアレルギー反応がおこるおそれがあり、ごくまれに全身的・重篤な症状が発現するおそれがあります。
  • すべての患者さんに効果が保証されるものではありません。
  • 毎月、通院費用と、薬局の負担含め約3,000円程度(保険適用)の負担です。

◆舌下免疫療法をご希望の方へ

  • 当日治療を開始したい方は予約をお願い致します。
  • 花粉症は2回目の再診から、舌下免疫療法は3回目~遠隔診療がご利用できます 。

ご自宅で出来る治療

鼻うがい

鼻うがいは、生理食塩水を使って行うもので鼻に入った花粉を洗い流すのに効果的です。重曹を加えると刺激を和らげる作用も。2週間続けたら、70%の人が鼻水や鼻づまりが改善したというデータがあります。

副鼻腔炎

鼻の周囲には上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞の4つ、左右合わせて8つの空洞で成り立つ「副鼻腔」があります。副鼻腔炎とは、鼻や副鼻腔の内部の粘膜が炎症を引き起こして腫れており、細菌やウイルスの繁殖で膿が溜まっている状態です。主な症状として、ドロっとした鼻水や鼻づまり、鼻の周囲や額の痛み、頭痛、咳、発熱などが見られます。

また、においがわからなくなるくらいに悪化するケースがあります。なかには、症状がなかなか治まらず、炎症が慢性化している可能性もあります。副鼻腔炎の慢性化を防ぐためにも、上記の症状がある場合は放置せずに、できるだけ早く当クリニックにご相談ください。

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