いびき・睡眠時無呼吸症候群の治療

いびき・睡眠時無呼吸症候群について

  • いびきをかくから友人と旅行に行けない
  • 家族に迷惑をかけている
  • いびきでいつものどの調子が悪い…等

いびきで悩んではいませんか?いびきは改善することができる症状です。

重症のいびきを伴う睡眠時無呼吸症候群の患者さんの50%に高血圧が認められ、高血圧の患者さんの30%に睡眠時無呼吸症候群が認められる、という報告があります。 心不全、不整脈、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞など)や脳卒中の発症リスクも、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは2倍~4倍に高まると言われています。

いびきの原因

◆慢性の鼻閉

ダニなどに反応する通年性アレルギー性鼻炎の方など、鼻閉によりいびきの悪化を見る場合もあります。また、鼻を左右に分ける鼻中隔という軟骨が生まれつき歪んでいて、片方の鼻腔がかなり狭い「鼻中隔湾曲症」の方もいびきになりやすいです。

◆アデノイド(腺様増殖症)と扁桃肥大

アデノイドは、扁桃腺の一つで、鼻の奥、つきあたりの上方にあるリンパ組織です。5~6歳でピークになりますが、咽頭扁桃(いわゆる扁桃腺)とともに大きいままで、様々な病気の原因となります。たとえば、いびきが強くなり、睡眠時無呼吸症になったりします。慢性の扁桃炎は、病巣感染と言って、皮膚炎や腎炎や関節リウマチなどの原因になることが知られています。病巣感染では、扁桃に起きる炎症自体では、自覚症状はほとんどないことも多く、臓器にまで進行して初めて原因であることが判明し、手術的に扁桃を摘出することで、2次的な病気の改善が認められることがあります。

◆肥満

気道の広さは粘膜の厚さが影響します。健康的な食事で減量することによって粘膜の厚さも変化しますので、いびきの軽減には、減量がとても重要です。

うつ病に体格指数 (BMI)が30以上の肥満が重なると、認知機能が低下し、脳構造にも変化が起こることを、国立精神・神経医療研究センター (NCNP)がはじめて明らかにした。 体重をコントロールすれば、うつ病患者の認知機能や脳形態にプラスの効果をもたらす可能性があるという。

体重が10%増加するとAHI(1時間の無呼吸と低呼吸の合計回数)が32%増加します。一方、10%の減量によって、AHIは26%減少することが推測されています。

◆職業的なリスク

睡眠時無呼吸症候群になると、十分な睡眠がとれないために日中に眠気に襲われ、居眠り運転による交通事故を起こしやすくなります。 調査によると、交通事故を起こす確率は、病気でない方よりも約7倍多いといわれています。

◆飲酒

アルコールを飲むと、いびきが悪化することは広く認知されています。飲酒により、心臓から全身に送られる血液が多くなり、一方で、心臓に戻る血液はうっ滞します。この結果、鼻腔や咽頭の粘膜は厚くなり、結果的に気道が狭くなってしまいます。当院では、定期的に体重、BMI、体脂肪率などを測定し、食生活(糖質制限)や運動(インターバルウォーキング)などのアドバイスを行っています。

◆喫煙

喫煙は、血流を障害し、いびきを強くします。当院では、禁煙外来で積極的に禁煙をサポートさせて頂きます。

◆運動不足

以前は、院長も強いいびきでした。ダイエット、めい想、ハタヨーガ、呼吸法で心身安定などの取り組むことで、強いいびきから解放されました。ストレッチやヨーガ、インターバル速歩などを推奨しています。

◆睡眠障害

いびきにより、睡眠を障害されると、健康度が大幅に低下します。

当院で行っている主な検査

受診される方への注意点:自宅での無呼吸症の簡易検査を実施する際に、
ネイル(ジェルネイル・マニュキアなど)を装着されている方は、指の検査機器が装着できませんので、必ず外して受診予約してください。

01

喉頭ファイバー(内視鏡)

鼻からファイバースコープを入れてのどの奥まで検査します。 スコープの太さは、直径約3mmですので、身体への負担を少なく検査できます。

料金 約3,000円(保険適用)
02

終夜睡眠ポリグラフィー(簡易)

睡眠中の呼吸状態について測定する検査です。機械をお持ち帰り頂き、ご自宅で検査を行います。痛みを伴うものではありません。簡易検査の後、さらに詳しい検査が必要な場合は、実施している医療機関で入院による検査を行うこともあります。

料金 約4,000円(保険適用)
03

自律神経機能検査(抹消血流検査)

3分間脈拍を検査することで、次の2点がわかります。自律神経機能検査では、神経のパワー、交感神経と副交感神経のバランス、肉体疲労度が数値で表示されます。また、抹消血流検査では、血管年齢などがわかります。

料金 無料

当院で行っている主な治療

軽症の場合

◆マウスピース(口腔内装具)

比較的軽症の方の場合は歯科口腔外科を紹介してマウスピース作製を試みます。

◆アレルギー性鼻炎の治療

特にダニなどに反応する通年性アレルギー性鼻炎の場合、鼻閉によりいびきの悪化を見る場合もあります。アレルギーを確認し、内服治療や舌下免疫療法の適応となる場合もあります。詳しくはアレルギー性鼻炎のページをご覧ください 。

重症の場合

◆手術

鼻中隔弯曲症もしくは扁桃肥大の場合は、手術で改善をはかります。小児の無呼吸症でも、アデノイド(鼻の奥の扁桃組織)や扁桃肥大が原因の場合があります。

◆CPAP治療

CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)とは、専用の装置で圧力をかけた空気を鼻から気道へと送り込み、強制的に気道を広げて睡眠時の無呼吸状態を防止する治療法です。CPAPの装置本体は大きさ15cm~20cmとコンパクトであり、付属のマスクを鼻に当てた状態で、チューブから空気が送られます。空気の圧力が一定もしくは、無呼吸時に自動で圧力を高める2パターンで治療を行い、患者様の症例に合わせて医師が装置の設定の指示をします。

CPAPは基本的に1か月に1度受診が必要です。CPAP療法を開始したら、状況と治療効果を見極め続けることがとても重要です。当院では、定期的に体重、BMI、体脂肪率などを測定し、食生活(糖質制限)・運動・生活指導・ストレスマネージメントも指導し、CPAP治療を卒業出来るよう注意深く経過を見守っています。

CPAP提携会社

  • 帝人ファーマ株式会社
  • 株式会社フィリップス・ジャパン
  • 山脇酸素株式会社
  • フクダライフテック東京株式会社

◆CPAP卒業について

CPAP継続中も、定期的に簡易検査で現状を評価することが大切です。減量やライフスタイルの改善、手術などで改善していることもあります。また、内科受診のみでCPAPを開始している方の中には、鼻中隔湾曲症や扁桃肥大などが見落とされている場合もあります。当院では、ライフスタイル指導などで、可能な限り卒業に向けての支援を意識しています。

生活習慣の改善

耳管開放症のページも参考にしてください。

行動医学に基づいて健康的なライフタイルの指導を並行して進めます

行動医学に基づいて健康的なライフタイルの指導を並行して進めます(詳しくはこちら(行動医学))。必要な場合は、個人カウンセリング(自費)も考慮させていただきます。

ご自身でできるいびき対策

01

あいうべ体操

いびきの当面の対策としてとても簡単で、有効な方法の一つが、あいうべ体操です。“口を閉じれば病気にならない”(今井一彰先生、家の光協会刊)の91ページを紹介します。食後に10回1日30回をすすめています。また、一時的な対処法としては、口テープ法もすすめています。寝るときにサージカルテープを貼っておく方法です。

※クリックで画像を大きく表示します。

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