めまい

当院ではそれぞれの患者さんにあった治療を、患者さんご本人の希望、経済的、社会的な背景を考慮して、患者さんに無理のない様に進めていきます。運動習慣や睡眠習慣の状態なども、必要に応じて指導しています。

めまい

  • 目は周囲の空間や位置を視覚的に把握する
  • 耳の内耳の前庭には「三半規管」があり、平衡感覚を支えている
  • 手足の皮膚、筋肉や関節は刺激を脳に伝える役割がある

このように、わたしたちの体は絶妙なバランスで全身をコントロールしています。しかし、どこかに不具合が生じるとバランスが崩れてしまい、「めまい」を引き起こします。めまいといっても、症状はさまざまです。目がぐるぐると回るような感覚がある「回転性めまい」、頭がふわふわとするような感覚がある「浮動性めまい」、血の気が引く様子や脱力感をめまいと認識している場合もあります。

めまいのなかには、命に関わる重大な病気のサインが隠されている可能性があります。しかし、何科で受診すべきかわからない方も多いのではないでしょうか?当クリニックでは精密な検査を実施し、明らかになった原因に合わせた治療の提供を徹底しております。めまいにお悩みの場合は、当クリニックにできるだけ早くご相談ください。

このような症状ありませんか?

  • ふらふらする
  • ぐるぐる回る感じがする
  • 身体が揺れる感じがする

めまいを引き起こす疾患

起立性調節障害・自律神経失調症

特に寝起きの際に一時的にめまいが出る患者さんも多いです。この場合、眼振の検査を経て、原因となる三半規管を見極め、適切なリハビリを行うと改善することが多いです。最近は、スマホを寝ながらする方が多くおりその為に、めまいが起きていることが多く見られます。

良性発作性頭位めまい症

●原因
内耳の前庭器官(ぜんていきかん)は、頭が地面に対してどのような位置にあるかを感じるための機能をもっています。良性発作性頭位めまいは、前庭器官に異常が生じたために、頭の位置の変化を過敏に感じてしまう結果起こる病気と考えられています。
前庭器官の耳石器(じせきき)の上には、炭酸カルシウムでできている耳石が多数のっていますが、この耳石が本来の位置から外れて、別の種類の前庭器官である半規管(はんきかん)のクプラに付着したり、半規管のなかに遊離したりして、それが頭を動かした際に動いて半規管を刺激するのが原因であるという説が有力になっています。更年期などのホルモンの変化も関係すると言われています。眠る前にベッド上で横を向いて、長時間にわたりスマホやテレビを見続けたりすることが、原因になることも多いです。こうした習慣はやめましょう。

●症状の現れ方
前述したように、何気なしに頭を動かしたり、朝起きようとして枕から頭を上げたりしたあとなどに、急激な回転性のめまいが起こります。めまいは長くても数十秒で消失します。また、何回か同じ動作を繰り返していると、だんだん軽くなるのが特徴です。吐き気を伴うことがありますが、難聴や耳鳴りなどの聴覚の症状は起こりません。

●検査と診断
めまいが起こる頭の位置で眼振(がんしん)が現れ、次第に増強、減弱します。聴力検査では異常を認めないことがほとんどです。頭位変換眼振という検査で異常が確認されることが多いです。

●治療の方法
めまいのリハビリテーションを行い遊離した耳石を元にもどす方法も有効です。
生活習慣による眠る前にベッド上で横を向いて、長時間にわたりスマホやテレビを見続けたりすることが、原因になることも多いです。こうした習慣を変えていくことが大事になります。テレビを見続けること。また眠るときに片方のみの横寝癖が影響していることもあります。

PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)

●症状
PPPDの主症状は3カ月以上続く浮動感、不安定感、非回転性めまいで、これらの症状が、
1)立ったり歩いたりすること
2)体を動かしたり、動かされたりすること(エレベーター、エスカレーター、電車、バスへの乗車など)
3)複雑な模様(色合いや凹凸)や激しい動きのある映像を見ること(大型店舗の陳列棚、細かい書字、映画、スクロール画面、ドローン撮像動画など)により悪化します。

●原因
平衡感覚は耳(内耳)と目(視覚)、体(足の裏からの体性感覚)からの3つの情報を小脳で統合することにより司られています。PPPDは、先行するめまいが治った後も、身体が目や体からの微細な刺激に対して脳が過剰に適応することにより起こると考えられています。

●検査
赤外線CCDカメラによる平衡機能検査・聴力検査・自律神経検査

●診断
急性期のめまいと異なり、診断を確定させるための検査がないのが現状です。下記のめまいに関する検査結果を参考にし、診断基準に基づいた問診によって、診断しています。めまいの診断のためにまずは詳細な問診を行います。問診では、どういうタイミングでめまいが生じるのか、持続の時間はどの程度か、どのように治まるのか、めまい以外の症状があるかなどを確認します。次に、中耳炎の有無などを確認するため、鼓膜の状態を観察いたします。その後、赤外線CCDカメラで目の動きを観察する眼振検査(眼球の動きを観察する)を行います。

●当院での治療
急性期のめまいで使用する薬(抗めまい薬や血流改善剤、ビタミン剤など)はあまり効果がなく、また最近定義された疾患であり、治療方法が確立していません。現在、睡眠衛生指導、希望により抗うつ薬による薬物治療・前庭リハビリテーション・認知行動療法・マインドフルネス瞑想・呼吸法を行っています。

メニエール病

聴力の低下を伴って、回転性めまいを生じます。正確な診断を経ずにこの病名を告げられる方も多いです。ストレスとの関連が強いことが知られています。有酸素運動も有効です。

中枢性めまい

脳血管障害に伴うめまい。特に糖尿病や高血圧などを合併している高齢者の場合、何気ないめまい感が、脳血管障害の予兆である場合もあります。頻度としては少ないのですが、自己診断は禁物です。

耳管開放症

耳閉感、自分の声が響いて聞こえる、など多彩な症状を伴っているめまい。詳細な症状の聞き取りで初めて正確な診断がなされます。特に耳閉感を自覚することが、手掛かりになります。ストレスとの関連がとても強い疾患です。当院が専門とする疾患です。

突発性難聴

急性の難聴で発症します。時に回転性めまいを伴うこともあります。1日も早く治療を開始する必要がある疾患です。特に重症例でめまいを伴いやすいです。ステロイドの内服、点滴治療、高圧酸素療法(要入院)、星状神経節ブロック注射などの適応です。

当院の治療について

検査の流れ

  • Step01

    聴力検査

    ※近くの病院で頭部MRIを予約することもあります。

  • Step02

    めまい検査
    (眼球の動きから診断する眼振検査)

  • Step03

    自律神経機能検査(血流検査)

  • Step04

    心理検査
    SDS(うつ)/STAI(不安度)
    (必要と判断し希望される場合)

当院の治療方針

ほりクリニックでは、症状を多角的に診て診断しております。また、治療においても簡易リラクセーション訓練の他、医師とのチームの下で、専門の資格を持った療法士による療法を取り入れております。また、西洋医学的めまい止めの処方のほか、東洋医学的問診と診断を経て漢方(ご希望の場合)を処方する場合も多いです。さらに、慢性の経過が多いめまいでは、めまいのリハビリ訓練が有効な例も多くあり、指導も行っています。

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