肩関節を緩めよう
「肩を動かす」は、肩関節だけではありません
肩関節・肩甲骨周囲の運動(ほりクリニックお知らせ欄・健康情報健康情報。
― 肩甲骨と鎖骨を意識した、やさしい肩の運動 ―
肩こりや首こりがあると、「肩を回してください」「肩の筋肉をほぐしましょう」と言われることがあります。
もちろん、それも大切です。
しかし最近、私は解剖学をあらためて「動き」という視点から見直していて、患者さんにもぜひ知っていただきたいと思うことがあります。
それは、
腕は、肩関節だけから動いているのではない
ということです。
腕を上げてみてください。
動いているのは上腕骨だけではありません。背中では肩甲骨が胸郭の上を滑るように動き、前方では鎖骨も一緒に動いています。つまり腕の運動は、上腕骨+肩甲骨+鎖骨、さらに胸郭まで含んだ一つの運動なのです。
資料では、この働きをとても分かりやすく、
鎖骨は「距離をつくる骨」
肩甲骨は「方向をつくる骨」
と表現しています。
鎖骨は胸骨と肩甲骨をつなぎながら、肩を胸郭から適度に離しておく「橋」のような役割をします。一方、肩甲骨は胸郭の上を動く「可動する面」として、腕が向かう方向を変えています。
まず、自分の肩甲骨を感じてみましょう
簡単な運動をしてみます。
- 楽に立つか、椅子に座ります。
- 肩の力を抜きます。
- 腕をゆっくり前へ伸ばします。
- 次に横へ広げます。
- 可能なら、ゆっくり頭の上へ挙げます。
このとき、腕そのものよりも背中の肩甲骨がどう動いているかを感じてみてください。
可能なら、ご家族などに背中から肩甲骨の動きを見てもらってもよいでしょう。
腕を動かすと、背中の「面」がかなり大きく動くことに気づくと思います。講義資料でも、「腕を前・横・上へ動かし、背中の面が動くことを感じる」という体験が取り上げられています。
次は、呼吸と一緒に
さらに面白いのは、肩の運動と呼吸を一緒にしてみることです。
息をゆっくり吸いながら、胸を無理に張らずに腕を開いてみます。そして吐きながら、ゆっくり戻します。
吸う → 胸郭が広がる → 肩甲骨の位置が変わる → 腕の動きにつながる
という連続した動きを感じてみてください。資料でも、呼吸による胸郭の変化が肩甲骨の位置、さらに腕の開始位置を変えるという視点が示されています。
大切なのは、大きく動かすことではありません。
「肩甲骨が動いている」
「鎖骨も動いている」
「呼吸と腕がつながっている」
と感じながら、ゆっくり丁寧に動かすことです。
肩を単独の部品として動かすのではなく、
胸郭 → 鎖骨 → 肩甲骨 → 腕 → 手
という一続きの動きとして感じてみる。
これまでとは少し違った「肩の運動」になるかもしれません。資料では、この流れをさらに「呼吸・リズム→距離をつくる→方向をつくる→空間へ伸びる→手の表現」と捉えています。
※肩に強い痛みがある場合、外傷後、腕が上がらない場合などは、無理に運動せず医療機関にご相談ください。





